「医療DX」の導入が進みつつある中、診療行為に関するもの、経営の状況を可視化するものなど、さまざまなデジタルツールが各社からリリースされていますが、ここでは「病院広報」の観点から「デジタルサイネージ」を院内に導入・運用することを考えてみます。医療機関の院内に設置する「デジタルサイネージ」のポイントは下記になります。
1. 患者さまへ分かりやすいインフォメーション提供
2. 情報提供の向き先は、不特定多数ではなく、来院している患者さまである
3. ほとんどの患者さまは座っている
4. 患者さまには高齢者や障がい者も多い
5. 広報にかかる事務負担を軽減しないと運用は続かない
6. ITを活用したデータ予測に基づく適時適切な広報が効果的である
現在は街のあちこちに見かけるデジタルサイネージですが、街なかでの群運用ではなく、医療機関での単体運用を考えてみた場合、上記のように様々な条件を想定してコンテンツを作成する必要があることが分かります。院内制作のコンテンツでよくお見受けするのが、
・ 文字が小さい、細い
・ 色使いがあまりよくない
・ 患者さまはもう来院しているにも関わらず、病院名やアクセス経路などを強調している
(ホームページの延長でコンテンツを考えている?)
・ スライドの表示時間が短いか内容が多すぎるため、すべてを読み切れない
・ スライド枚数が多いため、読み逃したスライドを改めて見ることができない
(患者さまの待ち時間を考慮せずコンテンツが作られている)
・ 延々と病院のPR動画を流し続けている
(動画はイメージ的には良いが、途中から見ても伝わらないことが多い)
・ 会議室用のディスプレイスタンドを使用しているため、車椅子やストレッチャー等の動線を悪くしている
病院の特質などにも依りますが、「病院広報」として「デジタルサイネージ」を活用する場合、下記のようなことに気をつけるとうまく運用できることが多いようです。(弊社にて、実際の医療機関さまの環境において、医師・看護師・スタッフ・患者さまなどからの意見等をヒアリングし、4年間改善し続けた結果の一部です)
・ 総スライド上映時間を「診療待ち時間」の3分の1程度以下に設定する
・ 症例などの文章はできるだけ短く表現する
・ 時期に応じた検査の案内等は効果が高い
・ あまり変化しない情報(例:患者さまの権利など)はスライドに含めず、従来通り掲示する
・ 診察前に患者さまに意識して欲しい内容は繰り返し上映する
(主訴を予め整理させる)
・ 午前診や午後診、曜日などで多い患者層に刺さるコンテンツを時間帯ごとに分けて上映する
・ いち早く伝えたい内容や休診案内などはテロップで対応できる場合が多い(院内更新:文字入力のみで済む)
(3診以上の体制または診療科が多い場合の休診・代診等の案内は従来の掲示もしくは診療科ごとのサイネージで対応する方が良い)
・ 動画等はイメージ動画とし、静的なスライドとは分ける(画面分割掲示)
・ ディスプレイは壁掛けや天吊りなどが望ましいが、スタンドでもユニバーサルなものがある
(ユニバーサルなスタンドの例:glance vision® では標準採用)
院内掲示を絞り込み、分別を行いつつサイネージコンテンツの運用を始めると、少しずつ自院の広報ポイントが見え始めます。患者インフォメーションとして何を掲示すべきか、掲示する時間帯はいつが適当なのか、誰が見てくれているのか、掲示した内容で診療がどう変わったのか、などです。当然、レセプト枚数や収入の変化も気になってくるかと思います。
広報を組み立てる試行錯誤の過程では、必ず人の手が必要となります。この時点は少し大変かもしれません。ただ、ある程度方法論が分かってきたら、すでに実行したことを外注化するなどして、院内では次のステップに進むことをお勧めします。この事を弊社では「広報の自動化」と呼んでいます。適切に外注化(アウトソーシング)することで、劇的に事務の方々の広報事務量が減っていきます。空いた時間は他の業務に充てることができますし、SNSやDM等で患者さまとつながっていく時間に充てることも可能です。
「広報の自動化」につきましては、後日コラムを掲載する予定です。
glance vision® online(グランス・ビジョン・オンライン)では、サブスク型アウトソーシングサービスのため、デジタルサイネージの導入・運用のご費用もコミコミ注1) でご提供しております。もちろん、glance vision® のデジタルサイネージは院内から簡単に更新することも可能です。
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